数学における公理的方法とは

数学において一つの命題が真であることは証明によって確かめられる。この場合、証明は、既に真であることが確かめられている他の命題を元にして論理的推論を施すことによって行われる。そこで証明を次第にさかのぼっていけば際限がないが、循環論法にならないようにするためには、これだけは最初から成り立つとして認めなければならない命題に突き当たる。また使われる術語はそれより前に使われている術語によって定義されるが、これもさかのぼっていけば、最初から定義することなしに使う術語を認めなければならない。

そこで数学の一つの論理を展開するときは、最初に説明なしで使う術語を無定義術語として揚げ、それらの術語の間の関係を規定する基本的な命題を証明することなしに認めて公理として揚げ、これらの無定義術語と公理とを元にして、定義と論理的推論によって、次々と諸概念および諸定理を導き出して、その理論を建設するという方法が考えられる。これが公理的方法である。

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